ア行

亜鉛キット

亜鉛は生体内に広く分布し、多くの酵素の重要な構成成分として存在しています。そのため、亜鉛欠乏の検出は疾患の治療に結び付く重要な情報の1つとなります。当社が開発したアキュリード 亜鉛は、患者より採取された血清又は血漿を検体として、専用試薬と小型の測定機を用い、クリニック等の医療現場において、患者血液中の亜鉛濃度を簡便に測定することができる体外診断用医薬品です。

アデノウイルス抗原検査キット

アデノウイルスは、50以上の多くの血清型があることが知られ、咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎、感染性胃腸炎などに関与しているウイルスです。
当社のイムノエース® アデノは、咽頭結膜熱や流行性角結膜炎の診断補助に役立てられており、呼吸器疾患だけでなく、眼科領域でも幅広く利用されています。呼吸器症状を呈している場合は咽頭から、眼症状を呈している場合は角結膜から、キット付属のスワブ(綿棒)により採取された検体を用いて検査します。

イムノクロマト法

この方法を利用した代表的な検査薬としては、薬局などで広く販売されている妊娠診断薬が挙げられます。この検査法のおおまかな原理は、以下のとおりになります。

イムノクロマト法原理図

①テストプレートの試料滴下部に検体を滴下すると、検体はテストストリップへ浸透します。検体中の標的抗原は、コロイド等に標識された標識抗体との反応が始まります。この標識抗体は、標的抗原に対して特異的に結合する抗体を使用しています。②標的 抗原と標識抗体を含む溶液はメンブレン内を毛細管現象により展開しながら、さらに標的抗原と標識抗体との反応が進みます。③標識抗体と反応した標的抗原の複合体は、メンブレン上に固定化された抗体(判定ライン)と標的抗原が反応し標識抗体と標的抗原の複合体が捕捉されます。この結果、判定ライン上に標識物が集積しラインとして目視判定が可能となります。④標的抗原と反応しなかった標識抗体は、標識抗体認識抗体(コントロールライン)と反応し、標識物が集積しラインとして目視判定が可能となり、検査が正常に機能したことを示します。陽性であれば2本のライン、陰性であれば1本のラインが出現、出現したラインを目視で確認するだけの簡便な検査法です。

インフルエンザウイルス抗原検査キット

インフルエンザウイルスにより引き起こされる代表的な呼吸器疾患の1つです。ヒトに感染するインフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類があり、重篤な呼吸器症状を表すのはA型とB型になります。
当社のイムノエース® Fluは、抗原検出用キットとして、鼻腔や咽頭からの分泌液中のインフルエンザウイルスのA型とB型の抗原を検出する体外診断用医薬品です。キット付属のスワブ(綿棒)により、患者から採取した検体を用いて検査します。

カ行

結核菌群抗原検査キット

当社のキャピリア® TB Neoは、結核菌群が菌体外に分泌するタンパク質であるMPT64を検出する体外診断用医薬品です。患者より採取された喀痰を培養した後に、その培養液を用いて検査をします。

サ行

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キット

新型コロナウイルスは、2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において確認され、2020年1月30日、世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言され、同年3月11日にはパンデミック(世界的な大流行)の状態にあると表明されました。SARS-CoV-2による新しいウイルス感染症であり、新型コロナウイルス感染症は、世界各地に広がった重 篤な呼吸器疾患になることが知られる感染症です。
現在は、遺伝子検査や抗原検査、抗体検査など幅広い検査試薬が流通しており、より精度の高い検査試薬が望まれています。当社のイムノエース® SARS-CoV-2は、キット付属のスワブにより鼻腔からの擦過した検体を使用しており、体外診断用医薬品として2020年10月より抗原定性検査キットとして販売を開始しました。

タ行

体外診断用医薬品

人に由来する試料(血液、体液、尿、便など)を検体とし、検体中の物質等を検出又は測定することにより、疾病の診断を補助する検査薬であり、厚生労働省より認証や承認を受け、臨床的有用性が認められた製品として市場に販売できること、保険適用の対象となるものと定義されます。一方、研究用試薬は厚生労働省より認証や承認を受けておらず、保険適用は非対象であり、研究を目的とした検査薬となります。

ナ行

ノロウイルス抗原検査キット

感染性胃腸炎を引き起こす原因となる代表的なウイルスの1つです。感染原因は食品だけでなく、看病している方などは糞口感染を引き押すことがあります。少ないウイルスでも発症することが知られ、主に冬季を中心に流行するため、発症早期に検査をすることは、適切な治療や感染防止対策による二次感染や集団感染を引き起こすリスクを軽減することができます。
当社のイムノエース® ノロは患者の糞便や直腸から採取した検体を用いて抗原検出をする体外診断用医薬品です。

ハ行

肺MAC症抗体検査キット

肺MAC症は、非結核性抗酸菌の1種であるMAC(Mycobacterium Avium Complex)菌により引き起こされる肺疾患です。結核症が減少傾向にある中、非結核性抗酸菌症は増加傾向にあります。結核症と類似の症状を呈しますが、治療方法と感染症法上の扱いが異なるため、各種検査により結核菌との鑑別が必要になります。
当社のキャピリア® MAC抗体 ELISAは、患者より採取された血清を検体として、血中に存在するMAC菌に対する抗体(抗GPL-core抗体)を検出することにより、MAC菌の感染有無を検出する体外診断用医薬品です。

汎用分光光度分析装置

比色法など反応の結果、反応液の色調変化を測定するための装置であります。従来はこのような分析は、据え置き型の分析装置が使用されており、研究室や検査室などに設置される装置です。当社のアキュリード(汎用分光光度分析装置)は、小型で持ち運びが可能な装置であり、上述のアキュリード 亜鉛検査の実施の実施を目的に開発された医療機器です。

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)抗原検査キット

2001年に急性呼吸器感染症を引き起こす新しいウイルスとして発見されました。患者の多くは小児であり、インフルエンザやRSウイルスと類似の症状を示すことが知られているため、適切な診療のために原因となる病気の鑑別が求められていました。
当社のイムノエース® hMPVは、鼻腔の分泌液中のhMPV抗原を検出する体外診断用医薬品です。キット付属のスワブ(綿棒)により、患者から採取した検体を用いて検査します。また鼻腔内に滞留する分泌液(鼻汁)を吸引して取得した鼻腔吸引液を検体として検査することもできます。

マ行

マイコプラズマ抗原検査キット

Mycoplasma pneumoniaeという微生物が原因で引き起こす呼吸器感染症です。他の呼吸器症状と類似することが多く、診断が遅延することでマイコプラズマ肺炎を引き起こすことがあります。マイコプラズマ感染症には適切な抗菌薬の投与が必要であり、疑わしい場合は検査することが重要です。
当社のイムノエース® マイコプラズマは、キット付属のスワブ(綿棒)により咽頭後壁を擦過した検体中のマイコプラズマニューモニエ抗原を検出する体外診断用医薬品です。

A~Z

A群β溶血連鎖球菌抗原検査キット

A群β溶血連鎖球菌は、Strep Aとも呼ばれ、上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌として多彩な臨床症状を引き起こします。一般的な疾患は咽頭炎であり、その患者の多くは小児ですが、一方、劇症型溶血性連鎖球菌感染症は、咽頭炎に比べて患者数は圧倒的に少ないのですが、子供から大人まで広範囲の年齢層に発症します。
当社のイムノエース® Strep A Neoは、咽頭の分泌液中のStrep.A菌抗原を検出する体外診断用医薬品です。キット付属のスワブ(綿棒)により、上気道炎や咽頭炎を呈した患者から採取した検体を用いて検査します。

ISO13485

医療機器や体外診断用医薬品の品質保証のための国際標準規格です。
『Medical devices-Quality management systems-Requirements for regulatory purposes』(医療機器-品質マネジメントシステム-規制目的のための要求事項)と題されています。
海外向け販売においては、製造販売元として当社に必ず求められる規格でもあります。

POCT

Point Of Care Testingの略になります。日本医療検査学会(旧:日本臨床検査自動化学会)POCTガイドラインによると、「臨床現場即時検査」として定義され、被検者の傍らで医療従事者が行う検査であり、検査時間の短縮及び被検者が検査を身近に感ずるという利点を活かし、迅速かつ適切な診療、看護・疾病の予防、健康増進に寄与し、ひいては医療の質、被検者のQOL(Quality of Lifeの略。生活の質の向上)及び満足度の向上に資する検査としています。
当社の製品群であれば、イムノクロマト法を原理とするインフルエンザやSARS-CoV-2などの抗原検査キットが該当しております。

RSウイルス抗原検査キット

Respiratory syncytial virus(RSV)は年齢を問わず、生涯にわたり感染を起こしますが、特に乳幼児期において非常に重要な病原体であり、生後数週から数か月の期間に最も重篤な症状を引き起こします。また、患者の多くは乳幼児、小児であり、症状はインフルエンザと類似しており、適切な治療と感染防止のためには必要な検査が求められます。
当社のイムノエース® RSV Neoは、鼻腔の分泌液中のRSV抗原を検出する体外診断用医薬品です。キット付属のスワブ(綿棒)により、患者から採取した検体を用いて検査します。また鼻腔内に滞留する分泌液(鼻汁)を吸引して取得した鼻腔吸引液を検体として検査することもできます。