アデノウイルス感染症

アデノウイルス内、ヒトに感染するヒトアデノウイルスは血清型が異なる49のウイルスを生物学的特徴に基づきA~Fの群に分類されています。アデノウイルスは呼吸器、結膜、腸管に主に感染し、5~8日の潜伏期間の後、咽頭炎や結膜炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎など多種多様な疾患を引き起こします。初夏のプール開きの時期に流行するプール熱(咽頭 結膜炎)の原因ウイルスでもあります。

アデノウイルスによる呼吸器感染症は小児に多く見られ、呼吸器ウイルス感染の約10%を占めます。通常、鼻汁、咳、 扁桃炎などの気道症状に加えて、40°Cの長期発熱、頭痛、倦怠感などの全身症状を伴う。乳児においては重症例が多く、感染者の約1割が呼吸不全により死亡します。一方、流行性結膜炎は眼科領域における代表的な感染症であり、時には角膜炎を伴って失明に至ることもあります。

アデノウイルス感染症は他のウイルスや細菌感染症との識別が困難な場合もあり、また最も基本的な検査法であるウイルス分離培養法では結果を得るまでに1週間を必要とします。アデノウイルスは抵抗性や感染力が強く、年齢を問わず集団 生活を営む施設において集団感染を引き起こすため、この集団感染を防ぐためにも迅速な診断技術が必要とされております。

疾患 主な感染経路 主な感染者
呼吸器感染    
急性熱性咽頭炎 飛沫、糞便 乳幼児
咽頭結膜炎 飛沫、糞便 小児
急性呼吸器疾患 飛沫 乳幼児
肺炎 飛沫 乳幼児
眼疾患    
流行性結膜炎 飛沫、接触 すべて
腸管疾患    
胃腸炎 糞便、経口 幼児
鼻・咽頭炎 全身症状に後続 先行・顕著
泌尿生殖器感染    
出血性膀胱炎 尿 幼児
尿道・子宮頸部炎 性行為 成人